2019/06/17 20:01

バイブル

つまり聖書

誰でも人生に多大な影響を与えた書物の一つや二つはあるかもしれない。

そこでリカーショップでは僕自身におけるバイブルをセレクトしてみた。

usedの本ではあるが、ヴィンテージの服同様、10年20年経つにつれその希少性は増してくるであろうこの2冊。


1冊目
「TAKE IVY」
1950年代のアメリカ西海岸のアイビーリーグと呼ばれる名門8大学で広まったスタイルを、「VAN」の社長だった石津謙介氏がアイビースタイルとして日本に広めたのがすべての始まりである。店主がS社に勤めている頃、幸運にも日本語版の復刻がありこの書に出会った。
その後2010年にはアメリカでも発売、日本から見たアメリカのスタイルが改めてアメリカで紹介され世界的な評価を受けた書である。
僕らが当たり前のように履いている白ソックスやくるぶし丈の短いパンツ、七三分けのスタイルなど1950年代から見られたのは非常に興味深い。またアイビーにはルールが多く着方やアイテムも制限されていた。そんな中名門大のエリートである学生達はそのルールをうまく潜り抜けながらお洒落に励んだ。この着崩す行為が俗にいうプレッピースタイルだったりもする。
そんなこんなで諸先輩方からはアメトラとは、アイビーとは、プレッピーとは何たるかを切々と教わりながら僕はファッションの基礎を作っていったわけである 笑
1965年の初版本は今では1万から2万円、復刻の日本語版も6、7千円で取引されているので、今回は買いやすい2010年発行のアメリカ版をチョイスする。基本売れたら定期的に補充、できるだけ定番品としてリカーショップでは扱いたい。
英語版でも臆することなかれ。基本写真集なんで写真見て空気感だけ掴めば吉〇だ 笑



2冊目
「Rockers Style Complete」
1978年のジャマイカ映画ロッカーズをその名の通りコンプリートした写真集。
自身は大学時代にダンスホールレゲエからどっぷりとレゲエ畑に浸かっていくことでこの映画に出会う。ルーツレゲエが最高とかそういうことではなく視覚と聴覚で感覚的にレゲエを体感できる貴重な映画である。パトワでの会話や所謂「真っ赤な目」をした彼らの生々しさとどこか大根な演技の中にジャマイカのユーモアセンスが相まって何度でも見れる。
だが強烈なのはその視覚に訴えてくる色の洪水のような着こなしと、真の意味で悪そう(多分結構悪い)なその着こなしである。
ストーリーはどうでもいいw ただ登場人物のカッコよさ、着こなしのセンス、すべて覆された。
肌の色は違うけどなんて三木道山の歌にもあったが、黄色の僕らにはどうしてもできない部分、そこを嫌というほど感じるし、それでもあの着こなし色使い真似したいと思わせられてしまう本当にファッションのバイブル。

どちらの書にも共通して言えるのは、彼らのスタイルには意味があり絶対的な理由がある。
それが何なのかを日本人である僕は感じながら今のスタイルへと変化させていったと勝手に思っている。

ファッションは素晴らしい、でもほんの少しでもいいからリカーショップに来る方には、ちょっと面倒臭くてもいいから考えてほしい。今の自分のファッションと日本のファッション。あれとあれのコラボが出たやべーとかつい言いたくなるけど(僕も言うけど 笑)
それだけじゃなくて自分が今何を着てどうしたいとか、どうして自分はこれを買うのかとか、真摯に考える。流行りの店で買ったからイイとか店員さんがいいって言ったからだけじゃなくて、自分で考える。
そんな参考になれば幸いです。老婆心でくどくどすいませんw

※オンラインへは明日「TAKE IVY」からアップしていきます。
「Rockers Style Complete」は明後日入荷の予定です。